イスラエルの医療機器セクターが復調の兆し

*本記事はGlobes English-Israel business newsによって作成されたものを日本語に翻訳しています。

【インタビュー記事】イスラエル医療業界でマルチに活躍する起業家医師が視るこれからのヘルスケアテックでもお伝えしたように、ここ十年で、イスラエルのヘルスケア領域における主な技術開発分野が医療機器などのハードからデジタルヘルスのなどのソフトウェアサービスに変わってきました。事実、イスラエル人の医療記録のうち98%が完全にデジタル化されており、これは他の国と比較するとこれは大幅に高い割合です。しかし、イスラエルは徐々にこの強みを失いつつあります。

多くの国が医療データを電子化し、さまざまな医療機関で情報を統合する動きになっている。イスラエルは相対的な利益を失う前に、新たな手を打たなければいけません。加えて、デジタルヘルス技術の応用は病気の人を治療するのではなく、予防医学や健常者のQOLの向上することを目的としたプロダクトが多く、それらがどのようにマーケットのニーズがはっきりしていないことが大きい問題です。

世界的に医療機器セクター成長の見込み

格付け機関であるムーディーズが今年5月に発表した報告書によると、大手グローバル医療機器企業(MedtronicJohnson & JohnsonBoston Scientific)の予測を「安定」から「ポジティブ」に変更しました。同社は、今後12-18ヶ月で業界が4-5%の成長を見込んでいる。 各企業は、近年医療機器メーカーで頻繁に行われてきた合併によるシナジーの恩恵を受けることになり、特定の分野でさらなる技術進歩や普及が予想される。予測では大企業に関して述べているが、この点はイスラエルのスタートアップにも関係しています。

Pitango Venture Capitalで医療セクターパートナーだったRuti Alon氏は「医療機器開発業界の調子が良くなることは間違いありません。近年の業界の状況は、イスラエルの医療業界全体にとって困難でした。特定領域での資金調達の飢えが永遠に続くことはありえません。ましてや、常に需要のある医療やヘルスケアの分野では、イスラエルはこの流れにやや遅れていくかもしれないが、ある段階では良い流れに必ず乗ることができるだろう」と述べる。

Valtech Cardio売却に見るイスラエルスタートアップエコシステム

また、ここ数年は中国の投資家からの資金が業界を引っ張ってきました。しかし、イスラエルと中国の企業文化の違いより今後楽観的には見込めないかもしれません。一方、一抹の不安とは裏腹に、去年の医療機器分野では、Valtech Cardioを米国企業Edward Lifesciencesに最大9億900万ドルで売却という非常に印象的なエグジットがありました

Valtech Cardioもそうですが、イスラエルは何の売り上げも立っていないようなスタートアップを売却してします傾向があります。ある意味でそれがイスラエルのお家芸でもあり、パイオニアそしてスタートアップネーションとして確固たる地位を確立してきました。

残念ながらイスラエルのファンドは、Peregrine Venturesを除いてこのエグジットには絡めていません。元Boston Scientificの上級幹部Lawrence Best氏はPeregrine Venturesに投資し、OXO Ventures、NGT、IFAなどの米国の他の投資家と繋げていました。さらに同社に関わる人物は、技術をちゃんと理解し、グローバルマーケットに精通していたので、同社は戦略的にうまくエグジットに関わることが出来ました。このようにイスラエル国内でも良質な技術を持つ医療系スタートアップに投資できるベンチャーキャピタルまたインキュベーターが整うなどはいい傾向が見えてきています。

医療機器分野の資金調達額はイスラエルのハイテク企業によって調達された総額の20%程度である12億ドルも毎年占めています。特に今年は好調な1年となっており、昨年5月以来、3社が152Mドルが調達されており、今後もそれ以上の調達が期待される。伝統的にイスラエルでは医療機器分野と製薬業界には常に良いベンチャーが存在します。そして現在では政府の予算とアーリー向けのファンドがあり、それらを取り巻くインフラが大幅に改善さたことで、スタートアップの経営は改善しています。

さらに、Medtronic は多くのイスラエルの企業を買収した後、現在MindUpなどのインキュベータープログラムに参画してくれました。彼らを含め多くのグローバル企業はイスラエルのデジタルヘルス、画像処理、医療情報処理、そして医療機器技術に興味を示しています。

イスラエルメドテック今後の注目領域

MIXiii-BIOMED 2018カンファレンスより

眼科学とメタボリックシンドローム:意外だが、現在成長中の領域。

神経学と腫瘍学:特に薬剤開発で取り組まれているセクター。

デジタルヘルス:イスラエルのヘルスケア領域でもっとも盛ん。

パーソナライズ診断とバイオマーカーに基づく治療:超早期段階での診断に用いられる。

ナノテクノロジー:現状セクター全体としてR&D段階だが、drug delivery segmentなどに応用される見込み。

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