腸内細菌がALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行に影響を持つことが発見された

*この記事は Israel21c | Uncovering Israel の記事を日本語に翻訳して作成しています。

イスラエルの研究者たちによる先駆的な研究によって、根治的治療が現在なく致死的な神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行に、腸内細菌が直接的な影響を持っている可能性があることが示された。

その研究は Nature に掲載され、ALS類似疾患を持つ実験マウスに特定の種類の腸内細菌またはこれらの微生物によって分泌されることが知られている物質を与えると病気の進行が遅くなるというものである。また、ある一定の割合の細菌を除去する抗菌薬を投与した場合、病気が悪化したことも示された。加えて、ALSになりやすいマウスを、腸内細菌叢を発達させることのできない無菌環境で成育した場合、マウスは生存困難となった

そして科学者たちは、病気が進行するにつれて、またはマウスが明白な症状を発症する前に、ALSを起こしやすいマウスで変化した11の微生物株を特定したのだ

Weizmann科学研究所の免疫学教授 Eran Elinav氏は、「我々の長期的な科学的、医学的目標は、ヒトの健康や病気に対する腸内細菌の影響を明らかにすることである。」と述べる。

ヒトでの影響を明らかにするため、研究者らは、ALS患者37人の腸内細菌と代謝物の構成を調べ、同じ世帯を共有する家族のものと比較した。

また、ALS患者の腸内細菌が組成と機能的特徴において健康な家族と異なることを発見しただけでなく、ニコチンアミドの合成に関与する微生物遺伝子がALS患者で有意に抑制されていることも発見した。

血液中の数千の小分子の分析も、対照と比較してALS患者の明確なパターンを明らかにした。ここでも、ニコチンアミド合成に関与する多くの中間代謝物がALS患者の血液中で異なっていた。

研究者らはまた、ニコチンアミド自体のレベルが、対照と比較してヒトALS患者60人の血液と脳の両方で有意に減少することを発見した。さらに、ニコチンアミド濃度の低下と患者の筋力低下の程度との間には相関関係があったのだ

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