ステージ1の肺がんを発見する革新的な血液検査

*この記事は ISRAEL21c | Uncovering Israel の記事を日本語に翻訳して作成しています。

様々ながんの中でも肺がんは早期に発見するのが困難なため致死的な病気となっている。末梢神経が肺には少ないため腫瘍が大きくなるまで痛みなどの自覚症状をきたさない。そしてそれらが出現した時にはもう手遅れになりかねない。イスラエルのスタートアップ Savicell のCEOであるGiora Davidovits氏は「もしがんがステージ1で発見されたら、生存率は80%にまでなるだろう。しかしステージ3であれば13-14%に下がり、ステージ4であればたったの4%しかない。」と述べる。

肺がんの確定診断には、肺生検による組織学的検査が必要であったが、侵襲度が高いためCT画像所見で変化が出るまで待つことも多い。このことも最終的な診断が遅れる一因になっているのかもしれない。

その検査に代わるSavicell の開発した、肺がんを早期に発見することができる簡単な血液検査は、 “リキッドバイオプシー”として知られていて、2018年時点で12億ドルもの市場になっている急成長中の分野である。

ほとんどのリキッドバイオプシーは、患者の遺伝物質(DNAやRNAなど)をシーケンスして、腫瘍が分泌するがん性物質を検索することに基づいている。これではまだ早期発見は困難であるとのこと。しかし、Savicell のリキッドバイオプシーは異なる手法を取っている。血液中を循環している免疫細胞の代謝状態、つまり細胞がエネルギーをどのように使用しているかを測定するのだ。免疫代謝として知られるこの新しい分野では、免疫細胞がさまざまな病気に遭遇すると、特定の代謝「パターン」をとることが明らかになっている。

もしパターンが一致すれば、肺がんを91%の感度で判別することができるという。しかも、遺伝子シーケンスのリキッドバイオプシーで必要な数日または数週間ではなく、数時間で肺癌を診断することができる。

Savicellは免疫代謝を研究している唯一の企業ではないが、他の企業は治療プロセスにおける免疫細胞の活性化に焦点を当てている。Savicellは、診断に免疫代謝を使用する点で特異的なのである。

Savicellは現在肺癌に焦点を当てているが、免疫代謝アプローチは他のタイプの癌、および自己免疫疾患にも適応できるはずだ。同社はすでに、血液検査で乳がんを特定するための診断キットの開発に関する予備調査を行っている。

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