牛のおならから世界を守る?飼料用豆類の改良に向けて

*本記事はGlobesによって作成されたものを日本語に翻訳しています。

 

地球温暖化の原因となる温室効果ガス。その主な発生源といえば、化石燃料の燃焼によって生じるCO2を思い浮かべるかもしれないが、実はもう一つ懸念されているのが牛などの家畜が発するげっぷやおならに含まれているメタンガスである。メタンはCO2の20~70倍にも及ぶとされる温室効果を持つ物質で、大気中に存在している量はCO2よりも少ないが地球温暖化に関して注目されている物質である。

人類は生きていく上で必ずタンパク質を必要とし、ベジタリアンやビーガンでもない限り大抵の人は肉や魚からのそれを摂取している。人口が急増する中、腸内ガスを放出しないタンパク質源の開発が急がれる。実際、一部の科学者は地球温暖化への考えたときに肉を食べるのではなく、植物由来のタンパク質を摂るべきだと主張する人は一定数いる。しかし、自然界には完全に代替品となるような植物はそれほどないとされている。

 

Photo Credit: Equinom

そんな中イスラエルのスタートアップEquinomは遺伝子操作を一切施さないタンパク質豊富な豆類の開発を行なっている。2012年にイスラエルの中心地であるRehovotにて設立され、これまでに$2.25M資金調達してきたEquinomが開発したひよこ豆やレンズ豆、ササゲ、青小豆、サヤエンドウなどの豆類は市販品よりも約5割増しのタンパク質を含んでいる。よくある大豆はアレルギー物質成りうること、市場が飽和状態であるなどの理由で取り扱っていない。

野生のコムギは栽培されたものよりも高いタンパク質含量を有するが、マメ科に関していう、天然に存在する種はこの事実との関連性がないうえに、緑色で有毒である。また、野生のマメ科植物は一般にタンパク質含有量が高くない。これまで、マメ科農家は栄養成分ではなく収穫量を追求しており、未だアジアではヌードルと糊を作るために使われているので、開発者はたんぱく質ではなくデンプンを増やすことに注力してきた。

 

遺伝子工学が盛んな現代においてどのように遺伝子組み換えせずに高タンパクな作物に改良していったのだろうか

Equinomはタンパク質含量に関与する遺伝子を見つけ、コンピュータシミュレーションを用いてこれらの遺伝子間の相互作用をモデル化する。まるでそれぞれ異なる望ましい性質を持つ植物を選ぶ数千年前のような古典的な方法を用いてそれらを交配させているそうだ。

交配される植物は、世界中のさまざまな場所から集められてくるかもしれないが、遺伝子工学を利用せずに変異体を作成した後、これを商業化し、自然界には存在しなかった遺伝子の組み合わせに基づいて特許を登録している。なので、我々はカナダのエンドウ豆で始まり、その後、他の豆類に転じた。」と創業者でCEOのGil Shalev氏は言う。高タンパクたんぱく変異体はまだ開発中で、Equinomは他にも機械的に収穫できる高収率ゴマを開発し、商品化した。通常、ゴマが熟すとその種子は地面にこぼれ人力で収集する必要があり、そのため、ゴマは発展途上国でほとんど独占的に栽培されているのが現状だ。

「例えば、Monsantoのような大企業は、新たな単一の分子を設計し、改良を加えるために遺伝子を見つけては修正し、遺伝子工学を使ってそれらを変異体に導入しており、その技術は数億ドルもかかる可能性がある。」とShalev氏は語る。 一方、Equinomは単一の分子や遺伝子に関与しておらず、すべてのマメ科植物と同様に、土壌に硝酸塩を固定する真菌との共生関係に依存しているので、多くの水や栄養分を必要としない。

次は、マメ科植物の種類を広める予定で、 「今日の市場は植物性タンパク質の需要を示していますが、大豆以外の解決策はありません」と言うShalev氏の目は人類の食の未来を見据えている。

 

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