AI

イスラエルでの最新のがん研究と発見 7選

*この記事はNoCamels.comの記事を日本語に翻訳して作成しています。

 

イスラエルの科学者や研究者たちは、ここ数十年で、がんやがん治療について最先端の研究を幅広く行ってきた。がんがイスラエルにおける主要な死因であることともに、大学や医療施設、病院、研究所は、革新的な治療法の開発やがん自体についての研究を行ってきた。

 

そしてイスラエルのバイオテク・スタートアップは世界でも研究や開発の最先端を走っている。数百もの計画や試験が現在進行形で行われているが、ここでは今年イスラエルで行われたがん研究や開発されたがん治療のうち7つを紹介する。

 

1.人工的に合成した細胞で悪性腫瘍を殺す

 

Technion Israel Institute of Technologyの研究者たちは、“nano-factory”という組織の中で抗がんタンパクを産生する合成タンパクを用いてがん細胞を撲滅させることに成功した。

 

参考記事:http://nocamels.com/2018/02/israeli-researchers-destroy-cancer-tumor/

 

2.がん治療における薬剤投与に光と金粒子を利用する

 

同じくTechnionで、イスラエルの研究者たちが、光と金粒子を利用することによって薬剤を標的の病変組織にのみ届けることができる技術を開発したと発表した。

 

参考動画

 

この薬剤は、光が金粒子に照射され、薬剤のポリマーコーティングを溶融したときにのみ放出される。薬物は血流に注入されるが、病変組織の位置を見つけるために金粒子に当てる外光を使用し標的とされた部位でのみ活性化される。

 

3. Tel Aviv大学の研究者が、マウスモデルでナノサイズの薬剤によって膵臓がんの進行を妨げることに成功

 

Tel Aviv Universityの科学者らが、腫瘍に遺伝物質を選択的に送達し、周囲の正常な組織への副作用を予防する全く新しいナノ粒子を考案した、と大学は発表した。

Satchi-Fainaro教授は、ナノ粒子のことを “2人の重要な乗客を運ぶタクシーのようなもの”と表現した。

 

参考記事:https://english.tau.ac.il/news/nanomedicine_pancreatic_cancer

 

「多くの腫瘍学プロトコールは混ぜ合わせであるが、通常は同時に腫瘍に到達しない。しかし、私たちの “タクシー”は、乗客と身体の残りの部分を、腫瘍組織だけを標的にし、全面的に安全に保つ。一度 “そのタクシーが駐車する”と、膵臓がんに存在していた酵素が “タクシー”を生分解し、治療用の “貨物”が正しい場所、すなわち腫瘍細胞に放出される。」

 

4.イスラエルのAI搭載病理診断テックのスタートアップNucleiは診断を改善するために500万ドルを調達

 

昨年、Avi Veidman氏、Eliron Amir氏、Lotan Chorev氏によって創設されたNucleaiは、組織や細胞を検査して異常を検出するという点において熟練した医師の能力を超えたAIアルゴリズムを開発した。また、同社は、シードラウンドでVertex Ventures IsraelGrove Venturesより500万ドルの資金調達も行ったことを発表した。

同社は、コンピュータビジョンと機械学習を使用したその技術が「生検組織を検査し、誤診を減らし、最終的に人命を救う」と述べている。 Nucleaiはまた、前立腺、乳房、胃腸関連疾患の解決策を開発している。

 

5.イスラエル企業Micromedic Technologiesが前立腺癌の非侵襲的な新しい検査が開発した

 

Micromedic Technologies社は、同社のCellDetect技術を使用したRehovotのKaplan Medical Centerでの臨床試験で、尿検体中の前立腺癌細胞を91.3%の感度と75%の特異度というかなり高度の精度で検出することに成功したと発表した。

 

この検査は、前立腺の生検を行うとき、もしくは行うべきかどうかを決定するのに役立つ新たな診断ツールとなることが期待されている。

 

6.イスラエルの会社が、乳がん血液検査の新しい臨床試験を報告

 

株式会社Todos Medicalは、同社のがん検出技術 “Total Biochemical Infrared Analysis”(TBIA)に基づいた TM-B1という血液検査を患者200人に対して行った。

「以前行った臨床試験では、TBIAはそれぞれ93%と87%の感度と特異度で乳がんを検出することができた」と同社は発表している。 現在までに実施された臨床試験の結果から、コントロールの健常者グループと比較して、乳がんおよび結腸がんを簡単かつ迅速に検出する能力を実証していると考えている。

 

参考記事:

Israeli Biotech Veterans Join Forces To Revolutionize Cancer Diagnosis With New Startup

 

7.がん患者と介護者のためのソーシャルネットワークが北米で新たな提携を結ぶ

 

イスラエルを拠点とするソーシャルネットワークBelongは今年の2月に、高品質なコンテンツ、デジタルサービス、コミュニティサポートへのアクセスを増やすことによって結腸直腸がん患者とその家族のQOLを向上させるため、Colorectal Cancer Canada (CCC)と提携することを発表した。

 

 

Belongは、がん患者やその家族に効果的な最新のコンテンツと “がんをより効果的に管理し、戦うためのユニークで個別化された革新的なソリューション”を提供する無料のAI搭載アプリを開発した。

 

*NoCamels.comの原文を読む。