バンクーバーに拠点を置き、COVID-19をターゲットとする抗ウイルス点鼻スプレーを開発するSaNOtizeは、イスラエルとバーレーンで一酸化窒素点鼻スプレー(NONS)「Enovid」の販売を開始した。同社はインドでも現地の製薬会社と提携して販売することで最終合意している。今年初め、Enovidはイスラエル保健省から12歳以上の人を対象に医療機器としての緊急使用認可を受け、現地での生産ラインを開始した。Enovidは、当面イスラエルの薬局で139シェケル(42ドル)で販売されるが、同社は薬価を下げるよう取り組んでいる。
このスプレー液は、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2や、その亜種であるAlpha、Beta、Gammaに対して、ユタ州立大学のアンチウイルス研究所で行われた実験で効果があることが証明されているという。同研究所では、昨年インドで初めて検出されたデルタ株(B.1.617.2)に対するテストも行っており、同様の結果が得られると期待されている。
同社のソリューションは2分以内にウイルスを殺すことができ、インフルエンザやライノウイルスなどのウイルスを抑制するのに特に効果的だと、共同創業者のGilly Regev博士は語る。
名前の由来となっているNO(一酸化窒素)は、これまでも様々な細菌、真菌、ウイルス性疾患の治療に使用されてきた。SaNOtize社は、一酸化窒素を局所的に送達することができる特許取得済みのプラットフォーム技術である、Enovidは少量の一酸化窒素を放出し、上気道のウイルスを殺すように設計されており、ウイルスが肺に広がるのを防ぐ。
同社は、カナダにてCOVID-19およびその変異株のフェーズIIを完了し、最近フェーズIIIのボランティア登録を進める承認を得た。フェーズIIIの承認では、予防と早期治療の試験を行う予定。
[Nocamels-Israeli Innovation Newsの原文を読む。]