3/6-7にイスラエルはテルアビブにて行われたBrainTech Conference 2017に行って来ました。これまたBrainTechなんて日本で聞いたことがなかったのですが(脳科学みたいなものでしょう)、非常に興味深い内容ばかりでした。BrainTechは現在医療分野で癌の次に投資額が多いそうで今ホットな領域の一つです。
BrainTech 2017とはIsrael Brain Technologies (IBT)が主催するBrainTechに特化したカンファレンスで脳分野の世界で有数の研究者、臨床医、業界を牽引するリーダーが40人以上集い、機会や技術開発の発表、議論をした。
以下プログラムの紹介。
・脳の生態系全体からの750人以上の参加者:業界リーダー、投資家、起業家、臨床医、研究者、学生
・IBTのBrainnovationsアクセラレータ卒業生を含む、新しいベンチャーを特徴とする脳技術企業展とスタートアップパビリオン(出展者の全リストを見るにはここをクリック)
・Sanara Ventures主催のスタートアップコンペ、そしてVirtuozoとXtechとのパートナーシップで、メインステージのファイナリストチーム5名のピッチセッションを含む(詳細はこちらをご覧ください)。
・150を超える1対1のミーティングを促進し、数十の協力とビジネスチャンスを開始した先進的なミーティングプラットフォーム。
・IBTのBrainnovationsアクセラレータと米国のNeuroLaunchアクセラレータの協力の発表(続き)
・Israel Innovation Authorityが支援するIBTのBrain Technology Associationを立ち上げ、イスラエルの脳技術産業を結集して研究開発と技術導入を進めるための新しいコンテンツとプログラミングを作成。
・数百万ドルの数学的神経科学賞は、Weizmann InstituteのMisha Tsodyks教授と、Max Planck自己ゲノムと自己組織化研究所のFred Wolf教授の2名の研究者に授与されました。
私が参加できたのは主にスタートアップカンファレンスとスタートアップ展示会なので、それぞれピックアップしていきますと。
まず、Sanara Ventures主催のスタートアップコンペ。
Sanara Ventures, PartnerのAssaf Barbea氏
参加スタートアップは以下
EyeMind: VRと高度な機械学習アルゴリズムを使用した神経認知状態の診断および治療モニタリングプラットフォームの開発
BrainVivo: 臨床MRIスキャナーを顕微鏡に変換する次世代の脳画像技術の開発
Junction therapeutics: 血液脳関門を治療ハイウェイとして使用し、望ましくないものを取り除くことを可能にする薬物の開発
Taliaz: 精神障害のための医薬品を調整するための遺伝的および環境的なソフトウェアツールの開発
Triticum: 末梢血管における急性虚血性脳卒中および閉塞の治療のための血餅採取装置の開発
個人的に感心したのがTriticum。血餅を取り除く手術において既存の金属でできた器具だと血管の内膜を傷つけてしまう恐れがあるがあるが、Triticumはトカゲの足の裏の吸盤と同じ形態をしたシリコンの器具を作ることで血餅を絡め取るという仕組みになっており、侵襲性の低いプロダクトとなっている。
展示においてはEEG(脳波計)とアルツハイマー病の予防もしくは治療のデバイスが多く見受けられた。例えば、前者はAlpha Omega, InnoSphere, BrainMarcなど。この分野は研究向けのものはすでにディストリビュートされており、今臨床向けの提携先を探し始めているという印象を受けた。EEGが実際に診断や治療などに使用される日も近いと感じた。後者は、NEURONIXやIntenduで特に、NEURONIXのneuroADはマッサージ機のような機械に乗って磁力刺激によりアルツハイマー病の進行を遅らせる世界初のプロダクトで効果もハーバードメディカルによって証明されている。ヨーロッパの一部の個人病院から導入されているそう。
NeuroAD TMS solutions for Alzheimer’s disease
他にもアイトラッキングで人の感情を記録したり、それぞれの人にあった焦点に沿ってカスタマイズできる眼鏡を作っているスタートアップなどがあった。
(参照元:http://israelbrain.org/braintech-2017-conference-summary-bringing-the-best-in-global-brain-innovation-to-tel-aviv/)