*本記事はThe Times of Israel-News from Israelで作成されたものを日本語に翻訳しています。
最近は少し落ち着きを取り戻し始めましたが、現地イスラエルではデモ続きでした。トランプ大統領によるエルサレム首都問題、ネタニヤフ首相の複数の汚職疑惑、そして、イスラエル最大手の製薬企業のTeva Pharmaceutical Industriesが行なった大量リストラに対するもの。
本サイトで以前取り上げたように、TEVAは近年のジェネリックビジネスのコストカットによる不調や同社の最重要ブランド製品である複数の硬化症に効くCopaxoneの将来的な競合の出現などに不振にあえいでおり、同社は新たにKåre Schultz氏をCEOへと就任させた。彼はデンマークの H. Lundbeck A/SにてCEOを務め、再建に導いた際にもリストラなどを行うことでコストカットをしてきた。今回も同様に、イスラエルの工場職を含む3300人のリストラが決定した。イスラエルにおいてTEVAは国民的製薬大企業であり、今回の事項が決行されると国内の製薬業界は少なからず打撃は避けられないだろう。
国内の複数ハイテクスタートアップがリストラ対象者に採用枠の提供
そんな中、Yotpo, Kaltura, Payoneer, Cortica, Bidalgo, Inneractive, Wibbitz, Windwardなどのスタートアップが今回の影響を受ける人たちを積極的に採用する姿勢を示した。上記スタートアップのCEOによれば、「あらゆるインダストリーに渡り、様々なポジションに対して数十万の人を必要としている。これからは、大企業ではなく我々スタートアップがイスラエルにとって影響力を持つ時だ」と言う。主に、R&Dセンターの勤務者、プログラマー、営業、マネジメントのポジションを募集する予定だ。
大企業がリストラを決行したとしても、優秀な人材にはスタートアップの受け皿があるというイスラエルらしい出来事だったのではないだろうか。現実問題として、イスラエルにおいてエンジニアが不足しているというのも今回の採用に影響しているだろう。また、上記のスタートアップに製薬関連のスタートアップが含まれていないのが、それを専門とする人々の行先の懸念やTEVAの一極集中という問題を示しているのかもしれない。
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