超音波検査は簡便性・非侵襲性・リアルタイム性に優れており、幅広い医学領域で使用されています。
一方で、超音波検査ではプローブを手動走査して画像を取得するため
検査者間での診断技術の差異が大きいこと
また超音波画像は音響陰影(影)の影響を受けやすく
画質劣化および診断精度の低下につながることなど、特有の課題があります。
よって、近年の人工知能(AI)の技術革新およびさまざまな医療分野への導入状況を踏まえて
これらの課題解決に向けたAIを活用した超音波画像診断支援技術の
臨床応用が期待されています。(理化学研究所の記事より一部引用)
そんな中、AIによるエコー画像の解析を行っている
DiA Imaging Analysisという企業があります。
同社は昨年の8月に大規模な資金調達を行っており
AIベースの超音波技術では一目置かれる存在です。
この資金調達により、DiA社は製品範囲を拡大し続け
超音波のベンダー、PACS /ヘルスケアIT企業、販売業者とのパートナーシップを追求しながら
新たに3つの地域への参入を進めています。
医療の現場ではDiA社が提供する技術によって、AIを利用した超音波画像の分析が可能になります。
一般にこのプロセスを従来の方法で行う場合
エコー画像を視覚的に解釈するために専門知識が必要になります。
そのため、このAIテクノロジーは
「現在実行されている手動および視覚的な推定プロセスから主観性を取り除く」
ことを可能にする、とされています。
このAI技術は、超音波画像を評価して疾患に関わるような情報を
自動的に特定するようにトレーニングされています。
これには、心臓に焦点を当てたものを含む
さまざまな臨床要件を対象とした製品が含まれます。
超音波検査において重要になる
「画像に対する解釈」をサポートすることにより
臨床医の適切な診断を促進するツールになっています。
DiA社のAIベースの分析は、現在、北米とヨーロッパを含む約20の市場で使用されており
現在も市場開拓を行っているようです。
昨今、急速な発展を遂げているAIによる画像診断技術は
その有用性だけでなく正確性の面において様々な規制にも直面しています。
こちらの記事でも触れられているブラックボックス問題
(※深層学習においてディープニューラルネットワークの構造は非常に複雑なため
その予測プロセスについて十分な説明性が得られないこと)はその代表でもあります。
世界各国で同様の問題が起きており
今後も医療の現場では国内にとどまらない実例や仮説の検証が必要になりそうです。
(こちらは下記のサイトを引用し作成しております。)
https://www.riken.jp/press/2022/20220322_2/index.html